動体視力と静止視力について

似てるようで全く違う!動体視力と静止視力

動体視力と静止視力

 

人間の体は目から入ってきた情報が動作の起点となることは皆さんご存知だと思います。

 

そのため、正しい視覚を身に付けて動体視力を上げることはプロ選手を目指すには欠かせないということが言えます。(もちろん、アマチュアでも動体視力の向上は周囲のライバルたちの一歩先を行くという意味で非常に効果的です)

 

 

視力の良さを測る視力検査ではCの字の形をしたランドルト環というものが使われます。

 

 

landolt

 

 

この視力検査は自分も目標も“止まった状態”で目標がどれだけ正確に見えるかを測ります。止まった状態のものを見るため、これは正式には静止視力と呼ばれています。

 

 

しかし実際の生活の中で(特にスポーツの場面で)は、目標や相手は常に動いています。

 

そこで、常に動いている目標を見極める能力(動体視力)が必要になってくるわけです。

 

 

目標が動いている場合・・・と書くとついつい野球やテニスのような球技をイメージしがちですが、何も動体視力の必要性は球技だけに留まりません。

 

スキーのような自分自身が動いている場合であっても動体視力は重要な要素であるといえます。

 

 

こういった動体視力は度々TVなどでも取り上げられるので知っている人は多いかと思います。(数年前、スポーツ選手に猛スピードで走る新幹線の中からホームの駅名が読めるかどうか?という実験をしている番組を見た覚えがあります)

 

 

KVA動体視力とDVA動体視力

さて、そんな動体視力ですが、厳密には細かく二種類に分けられることを皆さんはご存じでしょうか?

 

 

上で野球・テニスと新幹線の例を挙げましたが、実はこの二つは実は全く別の動体視力が働いています。

 

なぜなら野球とテニスは自分に向かってくるボールを見る際に素早くピントを合わせる能力が求められるのに対して、新幹線の例では横へ移動する目標を目で追う能力が求められるからです。

 

 

この二つはそれぞれKVA動体視力、DVA動体視力と呼ばれています。

 

 

KVA動体視力・・・自分に直線的に向ってくる物体に素早くピントを合わせる動体視力
DVA動体視力・・・自分の前を横切る物体を目で追って素早く見極める能力

 

 

後者の目を素早く動かす働きは眼球運動とも呼ばれていて聞いたことがある人もいると思います。

 

 

目の外側には6つの筋肉(外眼筋)があり、眼球はこれら筋肉によって動きます。

 

DVA動体視力は顔の前を横切る物体を見極める能力なのでその方向が上下であっても、左右であっても使われるわけです。

 

 

ただし、日本人は左から右に動くものを見る方が逆方向に動くものを見るよりも得意なようです。

 

 

また、日本人とアメリカ人では上下に動くもののDVA動体視力を検査した結果、「上→下」へ動く物を見る力は日本人の方が優れているという結果が出ました。

 

 

これらは日本人が横書きの文字をいつも「左→右」と読んでいることや、日本語に縦書きの文化があるため、「上→下」へ目を動かすことに慣れているためだと言われています。(そういえば、このサイトの文字の流れも「左→右」ですしね(笑)

 

 

逆に、文章が「右→左」と流れるアラビア語を使うアラビア人と比べると日本人は「右→左」のDVA動体視力で負けるそうです。このあたりは面白いですね。

 

 

アラビア文字
(アラビア語の文章例)

 

 

目を左右に動かすには6つの外眼筋のうち2つを使うだけで済みますが、上下に動かすには4つの筋肉を使わなければならず、これが中々複雑です。

 

この結果からもDVA動体視力は経験による効果が大きく関係しているといわれています。

 

 

ちなみに、DVA動体視力は物の動きと目の動きが一致したとき、物が止まって見える、という特徴があります。

 

バッターがボールを打つ場合、投球から中間くらいまでは直線的に飛んでくるボールを見ていますが、ボールが自分に近づくにつれてそこに目で追う動きが加わってきます。

 

つまり、バッティングではKVA動体視力とDIV動体視力の二つを使っているわけですね。

 

左右の変化球よりも上下の変化球のほうが捉えにくいのは外眼筋の働きが影響しているからと言われています。

 

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動体視力トレーニング完全ガイド

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