中心視野と眼球運動

スポーツに欠かせない中心視野と眼球運動の話

中心視野と眼球運動

 

人間の頭は見た物を簡単な図形に置き換え、パターン化して覚えることが得意です。

 

そのため見慣れた物であれば、視線を向けなくてもだいたい何かは見当がつけられるわけです。

 

しかし厳密には、周辺視野に映った物の色や形を、正確に認識しているわけではありません。

 

つまり自分の経験したパターンに合わないものは、しっかり見ないとわからないわけです。

 

スポーツにおける認識も同じで、経験したことのない動きや速さに対しては、慣れるまでに時間がかかります。

 

このように人間の目は案外あいまいで\普段は経験に頼っている部分が大きいのです。

 

そのため、基本は中心視野で一生懸命見ることが必要です。

 

とくにスポーツをはじめたばかりの頃やシーズンはじめの頃は、できるだけしっかり見て、いろいろなパターンを正確に頭に叩き込んでおくことが、とても大切になります。

 

そこで、周辺視野に映った物を、より正確に見るためには「周辺視野上の像を中心視野に移す」という能力が求められます。

 

ためしに壁にかかっているカレンダーにメモした、「ある1日の予定」を見てみましょう。

 

次に別の日の予定を正確に読もうと思ったら必ずそこに視線を移動し目標に視線を合わせます。

 

トレーニング

 

このように普段の生活でカレンダーを見るとき、私たちは無意識のうちに、瞬間的に視線を移動して、しっかり見る努力をしているといえます。

 

この視線の移動は「眼球運動」によって行われます。つまり眼球を動かして、周辺視野にある物を中心視野の範囲に移動させるわけです。

 

たとえば、顔のまわりをゆっくり飛んでいる虫を目で追うとき、私たちは首と同時に眼球を動かし、虫を中心視野から外さないようにします。

 

しかしすばしこい虫の場合はどうでしょう。すぐに中心視野の範囲から飛び出し、見失ってしまうことも多いはずです。

 

そのとき虫の軌道を予想して、行きそうな方向に目を向けることを「視線を飛ばす」といいます。先ほどのカレンダーに書き込んだ予定を確認するときも、1日1日を目で追うことはしないでしょう。私たちは視線を飛ばしながら、記入した予定だけを次々に目で拾って確認しているわけです。

 

このようにスポーツで使われる眼球運動には2つあります。目標に視線を合わせたまま、目標の動きにしたがって視線を外さないようにする運動を「滑動性(追従性)眼球運動」といい必要な箇所に視線を飛ばす運動を「衝動性(跳躍性)眼球運動」といいます。

 

スポーツの場合、とくに重要なのは後者の「衝動性眼球運動」です。視線を飛ばすコツを頭で理解しているかどうかによって、目の使い方の″上手い下手〃が決まってくるといえます。

 

「滑動性(追従性)眼球運動」の速さは角度でいうと1秒に60度が限界で、それ以上の速さになると目はついていきません。

 

時速150キロものスピードボールには当然追いつかないわけです。そこで、追いつかない場合は飛び飛びに視線を動かすことになります。

 

この視線を飛ばす眼球運動が「衝動性(跳躍性)眼球運動」なのです。ちなみにヒトの滑動性眼球運動は60度/秒までですが、サルは120度/秒といわれています。

 

一般に敏捷といわれているネコは20度/秒、ウサギに至っては零度/秒と、実は動く物に視線を合わせることが大変苦手なのです。

 

 

速い目標に視線を飛ばすことの上手な人は、まず目標物がどのスピードで、どの方向へいくかを無意識のうちに瞬間的に頭で分析しています。

 

次に、それを追い抜く速さで目を飛ばし、追い抜きざまに視線を合わせるわけです。

 

これが横へ動く物を目で追うDVA動体視力のメカニズムです。

 

つまり、動体視力は天性のものではなく、無意識の分析力と、脳の指令どおりに眼球を動かすテクニック、すなわち見るコツによるものなのです。

 

この〃見るコツ″を会得した人が動体視力が優れている人なのです。

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動体視力トレーニング完全ガイド

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